設定した条件が現実的かを確認ブログ:09-8-2016
おいらがまだ小さかった頃、
誕生日にパパが柴犬の子犬を買ってくれました。
フワフワのその子犬をおいらはとても可愛がっていましたが、
ある日、リードを噛み切っていなくなってしまいました。
おいらは日々「帰ってきて」と祈りながら、
子犬の寝ていたダンボールの箱を見ていました。
しばらくしてパパが
「もう帰ってこないだろう。片付けるぞ」と言いました。
おいらはもう少し待ってくれるように頼みました。
そして子犬がいなくなって1ヶ月ほどたったある日、
おいらが幼稚園から帰ると、ダンボールの中に子犬がいました。
片目の周りに赤いマジックでいたずら書きをされ、
足に怪我をして帰ってきたのです。
おいらは泣きました。
うれしかったことと、
いったい誰がこんな酷いことをしたのかと思う悔しさとで、
少し大きくなった子犬を抱きしめて泣きました。
それから少しして、
子犬はだんだんごはんを食べなくなりました。
パパは「変だ」と言い、医者に連れて行き見てもらいましたが、
医者に「もう助からないよ」と言われました。
おいらは泣きながら子犬を抱きかかえ、家に帰ってきました。
次の日の8時、子犬は動かなくなっていました。
おいらは冷たくなった子犬を抱いて泣きつづけました。
パパはダンボールに子犬の好きだった物を入れ、
その中に子犬を寝かし、蓋をしました。
その日は幼稚園を休み、
パパと二人でダンボールを持って海に行きました。
茅ヶ崎の海は、鎌倉の海と違って波が荒々しくて、
おいらはあまり好きではありません。
でもパパは「ここでないと子犬は帰れないよ」と言い、
海に子犬の寝ているダンボールを流しました。
おいらとパパは、
子犬が波にゆられていくのをずっと見ていました。